山田 14)は不良現象としてのウェルドラインは、通常それに起因する強度低下をも意味するものであることから、「樹脂の合流によって生成し、非合流部との比較において外観あるいは物性にならかの差を生ぜしめる現象」と定義し、ウェルドと略記して議論を進めている。
18普段は内製加工だけど、特別な大型品だけ依頼したい、特殊な研磨材だけ依頼したいという単発加工のご依頼も承ります。 その説明は表3のNo. この解決方法は上記4項目やヒート&クールでも改善しません。
図3(b)の位置にゲートを設けるとウェルド強度は比較的高くなります。
樹脂温度を高くする• 首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師。
そのため従来から、いろいろなウェルドライン部の強度向上の手法が、検討されている。
特許文献3-2(特開2005-007859)には、バルブゲートを有する樹脂射出成形金型を用いた射出成形において、ウェルド位置制御や型締力低減を目的として、金型設計パラメータと成形プロセスパラネータを同時に最適化する金型の設計方法及び射出成形品の製造方法が提案されている。 完全に消すには樹脂温度と近い温度で金型を暖める必要があります。
すなわち、「樹脂同士がぶつかる角度=会合角」が重要な要因になります。 ウェルド部で溶融樹脂が合流する様子を図2に示します。
昨今、3次元CADが高速、高機能の高性能化して筆者もうれしいのですが、マニアックな操作や機能に奔走してはいけません。
(図1)。
DV継手、TS継手、及びHT継手にひびが入っているように見える箇所がありますが、性能上問題はないのですか?• 樹脂がコアピンの周りをまわりこんで合流する際に樹脂が既にゲル状になってしまっていたのが原因と推測。
この現象は、特に自動車のバンパーフェイシャで問題となり、2 次ウェルドあるいは2 次ウェルドラインと呼ばれている。
特許文献3-3(特開2005-169766)には、射出成形金型仕様の決定過程を効率化すること、評価条件に従い最適化された金型の仕様を求めること、及び、成形体の形状品質と剛性品質の観点に基づいて金型仕様を決定することを目的とする金型最適化装置、金型最適化プログラム、及び、金型最適化制御プログラムに関する技術が提案されている。
色々なコーティングや表面処理を半年間試してきたけれど、どうしてもうまくいかなかった成形が当社にご相談頂いたところ、すぐに問題が解決してしまった。
樹脂射出成形品の品質向上には、使用材料、製品デザインを考慮した金型設計や成形条件を最適化する必要がある。
移動:• 革シボのような粗さ 成形条件でウェルドラインを目立たなくする方法• 富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。 図A POPレジスタ筐体の解析モデル ゲート位置は中央開口部の上下に2カ所あり(図中、黄色いコマ、および裏)、ここから上下方向から回り込むように充填していきます。
また、ガラス繊維入りの場合はどのような条件下でも、ある一定以上のウエルドラインの強度改善はできません。
ショートショットを解決! 鏡面金型と比較して表面改質処理後の金型は放熱面積が少なく、凹部の空気層が断熱材の役割を果たすため、同じ成形条件でも金型末端まで充填しやすくなります。
その線状の溝を「ウェルドライン」と呼んでおります(ウェルドラインの図、写真は)。
そのため、ウェルド ラインとメルド ラインの発生をできるだけ防止します フロー パスのバランスが悪いキャビティでは、ウェルド ラインや メルド ラインが発生する可能性があります。 しかし、不二製作所ではそんな欲張りなお客様も大歓迎です。
本稿においては、主として、ウェルドラインを使用するが、特にこだわらず、引用文献に記載の用語をそのまま使用することにする。
そして、前述のように樹脂同士がぶつかり合うと、まず両者の流れの先端にある固化層が接触し、樹脂の流れが停止します。
射出成形品の品質・性能は製品デザインと材料と成形の3つの要素が複雑に関係している。
この程度で強度設定しませんと、強度不足となり、重大な欠点となります。 その他の技術ニュース. 評価関数は、成形品の表面に現れる面ひずみは、ウェルド界面の厚さ方向中央部での曲率が大きい程(先端が尖っている程)良好でありまた、ウェルド界面が途中で折り返す場合に、ウェルド界面が途中で折り返さない場合に比べて良好である値をとるとしている(図7)。 まとめ 本稿では、射出成形CAE によるウェルドラインの不良現象の予測と対策に関する技術動向について、産業界から特許出願されている技術の調査結果を紹介した。
20この境界線に発生したウェルドラインは、樹脂の温度や圧力によってその強さが決定されるのも想像が容易ですね。
そして、合計4方向に分流した溶融樹脂の流れは、最終的には製品正面左右の2カ所で合流します。
液晶画面が付けられる製品で最も目立つ場所に、著しいウェルドラインが見えています。
【図3 ゲート位置とウェルド強度】 図3(a)の位置にゲートを設けるとウェルド強度は低くなります。
裏返せば、設計段階で肉厚やゲート位置をコントロールすることで、こうしたトラブルの多くが未然に防げるのです。 【図2 ウェルド部の合流状態】 ウェルド部では、次のような特徴があります。 このPOSレジスタのゲート位置では、溶融した樹脂が中央の開口部の上下2カ所から金型内に充填されていきます。
4線、ノッチ、または色むらが発生することもあります。 これは射出成形品の宿命と言えるものだが、製品として市場に出ると傷と思う消費者も多い様で、アメリカでは集団訴訟になった例がある。
流動解析に頼り切らず、長年の設計経験者や成形担当者に意見を聞き、あらゆる立場の視点を取り入れ、最善の形状を検討することが重要です。
また、特許文献2-2(特開平07-205241)には、目的とする製品の流動解析を行い、ウェルドラインの会合角あるいは流速合流角を求め、一方実験から求めたウェルド強度と会合角あるいは流速合流角との相関関係をもとに、ウェルド部の製品の品質(強度など)の合否を判定する技術が提案されている。
ここで、Wはウェルド部の特性を示す定量値、Fは各因子の関数、aIは係数であり、これらはあらかじめ実験解析とCAE解析により求められるとしている。