厚生労働省が公表しているデータによれば、75歳以上の方の24. 患者の年齢、体質に適した処方か? 患者の年齢、体質が、ある種の薬に強く影響を受けることがあります。 処方提案のコツがわかるようになる 講座では、ポリファーマシーについて、関連用語や概念なども詳細に説明しているほか、さまざまな医薬品の高齢者に対する臨床研究結果が豊富に示されます。
中には薬をもらうために、病院を受診するということもあるのではないでしょうか。 しかし、毎日出ても少量なら便秘になりうるし、2日に1回でも充分量ならOKということもあります。
また、患者自身が服用している薬を把握していないと、A病院で整腸剤を処方されているにも関わらず、B病院でも同じ効能・目的の整腸剤を処方してもらい、必要以上に服薬してしまうという事態に陥りかねません。
例えば高齢者に薬が処方される際、胃の負担軽減のために胃薬も併せて処方されることが多いです。
お薬手帳を活用する まず、今日からでも始められるのがお薬手帳の活用です。
そのためには、患者が複数の薬局を利用せず、自分の薬の調剤・管理をすべて任せることのできる 「かかりつけ薬局」を持ったほうが良いです。 ポリファーマシーの問題点 では、多剤服用によって引き起こされる問題点とはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
2難聴は薬の用法・用量や薬の効果についての理解がうまくできず、正しく服用できないことにつながり、視力・手指の機能低下については、シートがうまく扱えず、薬の取りこぼしや、紛失を引き起こすおそれがあります。 ACE阻害薬の副作用である「空咳」に咳止めを処方• 薬剤数だけをもってポリファーマシーとは言えません。
薬局では、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師の時代になり、処方薬の一元管理、そして市販薬の服薬状況、お薬手帳の説明と有効活用、服薬コンプライアンスの向上のための一包化さらにOD錠などへの剤形変更でのアドヒランスの向上、併用薬の相互作用などのチェックなどを積極的におこなっています。
「不眠」の自覚のない方々以上に治療していないか、「便秘」を訴えない方々よりも執拗に便通に介入しすぎていないか、意識的に治療にあたる必要があるのです。
処方カスケードの例 ポリファーマシーの何が問題なのか ポリファーマシーが問題視されている大きな理由として、これまでにも述べているように「 患者さんにとって有害だから」という点がまずあげられます。
薬剤師一人ひとりのポリファーマシー対策が積み重なることで、日本の医療提供体制を継続していく大きな力になります。 処方薬のチェックと適正化 薬剤師は、様々なシーンで患者の処方薬をチェックします。
2厚労省は、2014年にある県に住む75歳以上の方を対象に薬の服薬状況について調査を行いましたが、対象者の20. 「処方カスケードの例」• そのような高齢者に対する処方の指針として、日本老年医学会が10年ぶりにガイドラインを全面改訂し、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」を発出しました。
この患者さんが同時期に他の科を受診して胃薬が処方された場合、状況によってはどちらかの胃薬を減らすことができるかもしれません。
専門医の住み分け 医師は、それぞれ自分の専門分野をもっています。
患者さん自身の身体にも、お財布にも負担が大きいポリファーマシーを予防するには、日頃の意識改革が大切です。
つまり、足が痛ければ整形外科、のどが痛ければ耳鼻咽喉科を受診しなければなりません。 トラブルを避け、医師に話を聞いてもらうためには、日ごろから「医師との関係づくり」を行っていく必要があります。 腎機能が低下している患者、70歳以上の高齢者の場合、腎排泄型の薬にも注意が必要です。
今後のさらなる高齢者増加にそなえ、医療関係者はポリファーマシーの解消に努力しています。
JGAニュースNo. お薬手帳での管理を勧める 患者に「お薬手帳」の重要性をしっかり説明する必要もあります。
厚生労働省は患者が飲む薬を一元的に管理する「かかりつけ薬局」の普及を進めるが、課題も多い。
老年病医の杉山先生は、「医師に提案する際は、分4より分3、分3より分2と『処方薬の数』よりも『服薬回数』を意識して話すのが効果的」と言います。
出典:東京消防庁 2018年05月09日更新 また、 常時薬を5剤以上服用している人は転倒の危険性が1. 特にお年寄りが多い。
16そこで厚生労働省は、2017年4月から「高齢者医薬品適正使用検討会」で安全性確保に必要な事項の調査・検討を進めています。
処方された薬を記録できるので、かかりつけ医や薬剤師に服用している薬をより正確に伝えることができます。
安心・安全な薬物療法をするためには、医薬品の専門家である薬剤師が患者さまごとの服用薬剤を把握し、適切な投与設計を行うことが求められています。
関連記事: 類似薬の重複はないか? 複数の医療機関に通っている場合、類似薬(同効薬)が処方されることは少なくありません。
またはロゼレム、ベルソムラなどの別機序の睡眠薬に変更する など、医師に処方提案する必要があります。
これら減薬をはじめとする医薬品の適正使用に向けた取り組みのひとつとして、日本睡眠学会からは「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」が発出されています。
対策に欠かせない薬剤師の気づきと患者さんとのコミュニケーション 成功例に共通するのは、処方箋やお薬手帳の記載内容、あるいは患者さんの様子やヒアリング内容から、薬剤師がポリファーマシーを疑う気づきの力です。
しかし、 服用する薬剤の種類や量に比例して副作用のリスクが高まることがわかり、「減薬」の必要性が認識されるようになりました。
一方で、治療に適正な薬の数が6種類を超えることも当然ありますし、処方された薬の数が少なくても問題が発生することもあります。
13かかりつけ薬剤師による一元的管理が進められていますが、いまだに複数の薬局を利用する患者さまも少なくありません。 だからこそ、おくすり手帳の活用が推進されているのです。
こうした取り組みに対し、2016年の診療報酬改定において「薬剤総合評価調整管理料」や「薬剤総合評価調整加算」が新たに定められ、使用する医薬品を適正に減らすことが評価されるようになりました。
1%の人が15種類以上もの薬を服用している実態を明らかとしています。
残薬管理の取り組み 処方された薬を正しく使用せずに残してしまう「残薬」の発生を防ぐためには、患者さんがどのような薬を持っていて、実際には何をどのように使用しているのか、患者さんと医療スタッフがしっかりと情報を共有する必要があります。
ポリファーマシー(医療者側の問題) 処方(医師)の問題 ポリファーマシーの原因の一つに、 処方のカスケード(Prescribing Cascade)があります。 厚労省によると「高齢者の医薬品適正使用の指針」とは、 高齢者に対する薬物療法の適正化(薬物による有害事象の回避など)を目指し、高齢者の特徴に配慮した薬物療法を実践するための、基本的留意事項をまとめたガイダンスとのこと。 症状がなければ減薬を検討する 症状がなければ薬をやめる、のは当たり前のように思えます。
9しかし、処方せんを面で受けている薬局やドラッグストアでは「処方医の顔もみたことはない」という状況は珍しくありません。 しかし、実際はそう簡単なものではありません。
ポリファーマシーの背景 ポリファーマシーが起こる背景として、以下のようなケースが考えられます。
薬剤との因果関係の有無は問わない。
その結果、通常の用量であっても有害事象を引き起こす可能性があり、特に注意が必要であるとされています。
便秘・尿が出にくい• 後者は「睡眠」に関する薬剤や「便通」に関する薬剤が代表格です。 また、高齢になるほど肝血流量、肝細胞機能が低下するため 薬物代謝能は低下し、肝代謝型の薬は血中濃度が上昇しやすくなります。 これをDO処方といいます。
12このようなケースは、副作用を起こしている可能性のある薬を変更することで、副作用の症状を抑えるために処方した薬を減らすことができるかもしれません。
こうした様々な背景によってポリファーマシーが起こり、場合によっては健康に悪影響を与えかねません。
しかし、服用する薬の数が増えると、有害症状・副作用の増加、調剤医療費の増額化など、さまざまな問題も起こってくるのです。
また、様々な合併症を抱えているため複数の医療機関を受診したり、新たな不調を感じるたびに新しい医療機関で受診したりすることにより、処方される薬剤の全体像が把握しづらいことも要因の一つ。