何より山本の生き様には心えぐられ泣けた。 父が加藤に殺されたと確信した翼は、仇を討つために加藤と大迫のいる中華店を襲撃しましたが、既に加藤と大迫は山本の手によって殺害された後でした。 愛に包まれた作品でした。
13ヤクザと一言で言っても、その本質はさまざまなはずで、 全てを「反社会勢力」と括ってしまっていいのでしょうか? 藤井監督は、2019年の賢治や柴咲組の姿を通して 「個性を殺され、社会から弾き出された人間は、どう生きればいいのか?」と問題定義をしています。
主題歌はking gnu。
昔堅気の男気と人情にあふれるヤクザ。
山本はそこで翼から「親父を殺した奴が分かった」と聞かされました。
しかし、決してTVドラマの「ごくせん」といったヤクザをマイルドな善人として描くのではなく、我々堅気が怖れるヤクザの危うさと怖さもしっかりと描かれていました。 何故かずっとリアル。 人を殺してきて、女に縋り付く、あそこは正にヤクザ映画なんだけど、 あそこでガタガタ震えてながら冷めやらぬ興奮のまま由香を抱くケン坊に、 柴崎組に大切にかわいがられてきて、だから人殺したの初めてだったんだろうなぁ…と。
3次の日、賢治は大迫に逮捕され、殺人犯として全国的にニュースになりました。 次の日、賢治が川山を暴行した事が問題視されます。
そして、あわや柴咲博も危ないとなった時、切れた山本はアジア人を殴り倒してその場を収め逃げる。
すべてのヤクザをひとまとめにして語って良いものかどうかはわかりません? ヤクザから足を洗おうとしている元ヤクザを養護すべきかどうかもわかりません。
再び刑務所に入ることを決意し、港にいる山本に一人の男がドスで突き刺してくる。
映画館で見て損はしない、ふつうに面白い映画でした。 警察の追跡を命からがら逃れ、賢治が飛び込むように逃げ込んだ先は由香の自宅であった。 とはいっても契りを交わした組織の「疑似家族」の物語。
マコトとキダは高校になり、相変わらず三人一緒に過ごしている。 そんな山本を気遣う翼が打ち明ける。
全てが繋がっている。
最高じゃねーか! 血生臭くもヤクザとしての1人の不器用な男の家族の形を、 確かな愛を感じて自然と涙が溢れてきた。
これはスクリーンで観たほうが絶対良いです。
ところが、山本らがたまたまドラッグの売人から薬と金を奪ったことから、その売人の組織ヤクザ加藤らが山本らを襲う。 一級品の仕上がりだと思いますが、しかし絶対おすすめと書き辛い映画でした。
親を知らない子供二人が海辺で出会い言葉を交わすシーンで終わるのが、 上手い終わらし方だなあと思った。
義理と人情、そこに表裏一体として渦巻く暴力とロマン…… みたいなヤクザ世界の見応えを期待すると肩透かしかも。
自分に似た境遇であることを知った賢治は、初めて由香を女としてだけではなく守るべき存在として再認識する。
絶対的悪だと思っていた存在の、手に入れてもすり抜けていく愛をどこまでも求める哀しい姿を見たからなのか、血の繋がりもない家族達のつらくも深い絆を見せつけられたからなのか。
13この時代は、 一般的には表沙汰に出来ない事を、ヤクザが秘密裏に処理するという形で、社会と繋がっていた、ヤクザが必要とされていた時代と言えます。
そもそも細野もオモニの店でたまたま遭遇したのは仕方ないとして、これまで「5年ルール」で散々な目に遭って手に入れた「貧しくも幸せな生活」なのだから、兄貴への恩義や忠誠など置いといて、会うことを拒めばいいのに。
一方、山本は由香と 14 年ぶりに再会を果たしました。
雰囲気で聞いた方が良かったかも。
「藤井道人監督の大型の商業映画」は、それこそ「新聞記者」が最初でしたが、その次に「宇宙でいちばんあかるい屋根」というファンタジーで良質な作品を手掛けました。
1柴咲組と侠葉会は、一度手打ちになっている為、加藤としても迂闊に手を出す事はできず、柴咲組に連絡をします。
柴咲組の組員だった父親を抗争で亡くし、山本を慕う翼は、新世代の青年らしいクールな感性に見え隠れする危うさを秘めていた。
個人的に、由香が14年どんな思いで彩を生み育てて来たのかを想像すると、2人の最後のシーンで山本に心から同情もできず…更に胸が苦しくなりました。
まだまだ観たいけど上映回数が少なくなってきて時間が合わない(泣) 1回だけとは言わず、2回、3回と何度. 賢治は由香と彩の3人で、新たな暮らしを開始し、細野の紹介で、廃棄処分の工場での仕事も始めました。
自暴自棄になっていた自分に手を差し伸べてくれた柴崎博に心の救いを得て、2人は父子の契りを結ぶ。 様々なシーンで愛と心情が表現されてました。 そう認識していた存在の、どこまでも人間らしいヒューマンドラマにとてつもなく胸が締め付けられます。
9自分の居場所はもうどこにもなかった。
まとめ C 2021「ヤクザと家族 The Family」製作委員会 1999年から2019年という変わりゆく時代の中で、ヤクザという存在を描いた本作。
見終わった時の正直な感想は「なんだこれ」であった。
俳優さんがそのまま演出されていて 映画のエンディングストーリーのようで救われます。
山本は由香に詫びようとしましたが、由香は「あんたが来なければ、全部上手くいっていた」と拒絶しました。 この構成でこれだとしんどいです。
15ぶつ切り感をなくして観客の興味を持続させつつ、物語を薄く感じさせないように作らなければならないので、相当、難しいです。
「より良い社会」を目指すならば、反社がどんどん抑圧されていくのは自然な成り行きだ。
親友だった細野と大原と共に、街の顔役となった賢治は、1999年とは違い、黒髪にサングラス、スーツで身を包んだ容姿で、落ち着いた雰囲気に変化しています。
かつての盟友・細野は組を抜け、結婚して子供をもうけていた。
例えボコボコにされても、父を狂わせた薬物を売りさばく売人に暴力を振るう姿も、決して怯むことなく反抗的態度をとる姿は、彼の役者人生の中でも名シーンとなる予感がした瞬間でした。
12山本は子のへやってくる。 血縁薄く家族のない、ヤクザとして家族になった男の悲哀。
「ヤクザと家族 〜The Family〜」 「新聞記者」で一躍有名になった藤井道人監督の新作映画。
決して幸せな結末ではないけどちゃんと希望が見えた。
いわゆる強面の親分ではなく、義理人情を重んじ、包容力と凄み併せを持った役で、「あぶない刑事」シリーズを見て育った世代としては、その立ち居振る舞いを見ただけでなんとも感慨深い。