そのため彼ほどの理想家であっても、選挙ともなれば選挙カーで名前の連呼、たすきを付けて自転車に乗るパフォーマンスに頼らざるを得ず、有権者には「要するに、どこにでもいる当選したがりの政治家」としか認識されません。 突如、ブーメランが視界に現れて迫り、逃げる間もなく胸にぶっ刺さるのである。
14「こういう人がいるということ」「ほかにもきっとたくさんいる」、それぞれの形で行動している人がいることを知ろうとするきっかけとなったのは、私にとってこの映画に出会った成果です。
しかし、このアンチヒーローぶりがここまで際立つ展開になろうとは、大島監督もさすがに予想しなかったであろう。
エリート官僚のポジションを投げ捨て「ただ社会をよくしたい」という信念のもと地盤、看板、カバンなしで衆議院議員選に臨む。
選挙改革も切にのぞみます。
小川さんの志を達成するための道のりが遠いこと遠いこと・・・。
『政治家にならなきゃ』なんですよね。
(赤江珠緒)ああー。
確かに自民党は政治のプロだ。
翌日、企画書を一気に書き上げて、「なぜ君は総理大臣になれないのか」というタイトルは、そのときスッと出てきました。 ただこれ、小川さんサイドの内側を撮ってるから、小川さんが良く見えるところもあると思うのね。
「君」には「君のような人」という監督の思いが込められています。
いくつか紹介します。
すごい人間っぽいっていうか。
背水の陣の選挙戦に、小川はどう挑むのか……。
東京都 1館• この映画はですね、小川淳也さんっていう僕と同い年、49歳の民主党の衆議院議員の方が主人公なんですよね。
作品が完成するまでの時間の重みに圧倒されました。
父が病気で倒れる前、フジテレビ時代に作った僕の初めてのドキュメンタリー番組を見てくれました。
非常に皮肉で面白いドキュメンタリーでね。
ただ、政治家ならもっと口先で民衆を丸め込めるのではないか、と感じる。
また、小川氏は小選挙区で勝てず、比例代表で返り咲き当選ばかり。 2017年 総選挙 選挙結果にうなだれる小川淳也。
「揚げっちゅうのは本当にうまい」と目を細める姿に、何ともほのぼのしました。
このページをシェアする• (町山智浩)その通りなんですよ。
私はかねがねある企画書的な切り口をもって対象に短期密着するよりも、ひたすら対象に伴走しつつ、自然にそこから生まれるドラマを逃さずすくいとってゆくという作法が、最も贅沢で、且つ豊饒なドキュメンタリーを生むと考える。
(赤江珠緒)意見が違うと「敵」とみなすっていうのがね。 小池百合子代表への不信感から無所属での出馬を検討するが、前原や地元の盟友・玉木雄一郎への仁義というジレンマを抱え、苦悩は深まる。
18そうはいってもスパンが長いので、撮影素材量は数百時間はあると思います。
それなのに安倍政権は支持率が下がらずに、盤石なのですね。
ぜひ大きなスクリーンで! — 映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』公式ツイッター nazekimi2020 (宮藤官九郎)でね、そんなわけで今日は都知事選の次の日っていうこともあってというわけじゃないんですけど。
けれど、対話を重ねていくとほとんどの高齢者が『小川さん、私たちの年金や医療、介護も大事だけれど、やっぱり子どもや孫世代のことを頼むよ』と言います。
— 映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』公式ツイッター nazekimi2020 それで今は「無所属フォーラム」っていう無所属の人たちが集まっているところに……もう無所属フォーラムって何なんだ?って思うんですけど。
3そんな小川議員を追い続けた大島監督がした唯一の演出は『なぜ君は総理大臣になれないのか』というタイトルをつけたことだそう。 民主党議員として政治家人生を歩み始めます。
2013年に大島監督と小川議員がはじめて出会ったシーン 大島監督は17年前にはじめて小川議員に会った瞬間から「これだけ真っすぐに『社会を良くしたい』と言える人がいるんだ……」と衝撃を受けたそうです。
それはもう、小川淳也そのものではないか。
これは『どこかの若者』『どこかのお年寄り』『どこかの誰か』ではなく『自分の子、孫、親、祖父母』の話であり、その総和だと理解してくれる」。
学生の頃、深夜に「NONFIX」(フジテレビ/1989年放送開始)というドキュメンタリー番組が始まり、すごく刺激を受けました。 永田町の論理に何ともむずがゆくなります。
14で、ずっと選挙戦をしてるんですけど。 政治家は、自分の権力欲を満たす人たちばかり、むしろそれはあたり前のことで、しかもそれが政治家の本質だとしたら、権力欲のない政治家は政治家に向いてないという話になってしまう。
で、選挙戦で地元に帰るんですけど、もうすごい地元で叩かれるんですよ。
「ご意見は参考にさせていただきます」って言うんですよ。
例の政権交代もありやと思わせた希望の党ブームのなかで浮足立った民進党の野合、その後の「排除」発言と合流拒否した議員による立憲民主党の結党という大波乱に、小川は心ならずも翻弄される。
51対49で決まったことが。
時代錯誤な選挙カーや、ポストイット。 選挙カーでのシーンも心に残ります。
彼は総理大臣にはなれないかも知れませんが、彼のような政治家が存在し続けるだけでも、日本の政治に一抹の希望が見出せるように思いました。
(赤江珠緒)そうですね。
被写体としての小川自身もどんどん輝きを失い、ことしに入ってからのオンラインミーティングにおいて、監督から「それでも君は総理大臣になりたいか」と訊かれ、即答できずにへどもど弁明めいたことを口にしてしまう。